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GARDEN須崎 勝己☓MAYUMIが語る、これから必要な美容師とは【後編】

優秀な美容師ほど微妙な感覚を理解できるようになっていて、ある意味だんだん女性化していく

2012年10月15日
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GARDEN須崎 勝己☓MAYUMIが語る、これから必要な美容師とは 【前編】

失敗、トラブルを経てこそ成長する

—美容師さんの仕事はまさに失敗が許されないライブの極みだと思いますが、おふたりでも若い頃は失敗やヒヤッとするような経験がありましたか?

須崎:失敗ですか?ない人はいないでしょう(笑)。僕も何回も失敗して、お客さまにお叱りをいただいたりクレームになったり、いろいろありましたよ。ただ当時はカットモデルがいたので、お客さまの前にモデルさんで失敗させていただきました。
僕の場合、いちばん多い失敗は切りすぎ。イメージ以上に切り込んでしまう。男なのでどうしてもカタチをつくることにこだわってしまって、その人の望んでたイメージより短かった、ということはよくありました。当然お客さまからはお叱りを受けるんだけども、でも誠意をもって対応することで許していただけた。もちろん若かったからですけどね。自分のために一生懸命やってくれた結果、若いからちょっと失敗してしまったんだな、ということを受け入れていただければ次につながる。だから僕は若いスタッフには「切り込め」と言っていますよ(笑)。

MAYUMI:ステキ!(笑)

須崎:だって切り込まないと上手くならないですから。先ほど話した「ほんの少しのことを施して差し上げる」という話も、キャリアを重ねていった結果10の引出しがある中の「ほんの少しのこと」なのです。切る力がない、想像力がないのに、ちょっとだけ切っていても美容師としての幅ができないのです。

MAYUMI:私も、もうたいへんなアクシデントがあり過ぎて(笑)。でもそういった失敗が、今の私をつくって来たのだと思っていますけどね。須崎さんのお話を伺って感じたのですが、男性はいいなあと。同じ失敗をしても男性なら許されるけど女性は許されない。女性のお客さまは女性のスタッフには厳しいのです。カウンセリングでOKをいただいたスタイルなのに、そのように切ったらお叱りをいただいたり。私も女性なのですが、若いころは本当に女性が信じられないと思ったこともあります(笑)。男性は白か黒かの答えで解決することが多いけれど、女性にはグレーゾーンが多いの。だからややこしい!でも自分が歳をとっていくことで、男性からの人気が下がる反面女性からの人気はバツグンに上がった。それで美容師としては老いもよかったな、と。


美容師を育てるということ

須崎:女性のグレーゾーンかぁ。我々男性もそこを理解できるようにならないとだめでしょうね。やっぱり優秀な美容師ほど微妙な感覚を理解できるようになっていて、ある意味だんだん女性化してきます。自分もこれでも少し女性っぽくなってきているように思います。

MAYUMI:わかります。私は、草食系よりもっとナイーブな植物系男子がいいと言っていますけど(笑)。

須崎:そう言えば神戸のある有名な美容師が、これからの時代、男の美容師はだんだん必要なくなると言っていましたね。

MAYUMI:いえいえ必要ですよ!女性が女らしく可愛らしくあるためには男性の存在が必要。全世界が女ばかりになったら、女子高と同じで恐ろしい無法地帯になりますから(笑)。

—やはりコミュニケーション能力が重要なんですね。

須崎:うちではデビューする前にモデルハントをやらせますが、それはコミュニケーションの経験を積むためでもあるのです。街でかたっぱしから声をかけても当然断られます。それでも簡単にめげない精神力と、コミュニケーションをとることの大変さをアシスタント時代に経験しておかないとだめなのです。

MAYUMI:GARDENを目標とする全国のサロンにとっても、とても良いことですね。一流の美容師、一流のサロンになるためにもっと頑張らなくちゃいけない、という励みになりますよね。


美容師はまずファッションセンスを磨け

ガーデン須崎さん対談

—プライベートでおふたりがお気に入りのファッションは?

須崎:僕自身の話ですか?僕はどちらかと言うとあまり偏るのが好きじゃないんですよ。本来はロック系とかライダーズ系が好きなんですが、TPOを考えてモードっぽく黒でコーディネートするスタイルや、今日のようにフレンチカジュアル系もあれば、まあいろいろです。いろんなスタイルを楽しみたいし、意外性のある感じが好きですね。女性で言えば、モードな日もあればカジュアルな日もあり、ある時はセクシーみたいな、そういう意外性のあるタイプが好きなので、自分もそうありたいと思っているのかもしれません。

MAYUMI:ステキ。私の場合はバランスかな。須崎さんと同じで、TPOに合わせてジャケットを着用したり、撮影の時は動きやすいスタイルにしたり。どんなファッションでも。常にボディーバランスがキレイに見えるスタイリングします。私は身長が155cmしかないので、どうやったらこの155cmがバランスよく見えるか、もの凄く意識しています。

須崎:MAYUMIさんはスタイルとてもいいですよね。そんなに小柄だという印象はないですもの。

MAYUMI:ありがとうございます。そう見えるように大変な努力をしてるんですよ。須崎さんのように身長もあってもともとバランスがよかったら、いろいろな服をパッと着こなせていいなあと思います。私は自分に合うサイズが無くて、日本に1着、1足しかないものをなんとか手に入れる、そういう涙ぐましい努力をしています(笑)。

須崎:そんな大変さがあるとは知りませんでした。女性はファッションのバリエーションが沢山あってうらやましいと思っていましたから。男のアイテムはだいたい決まっていて、僕は今45歳ですが、45の男が欲しいと思う服が意外とないんですよね。だからつまんないなあと思いつつ、女性のファッションは可愛くていいなあ、と。

MAYUMI:女性でも、いろいろ選べるのはモデルさんだから、あれもこれ何でも似合うんですよ。いくらでもあるように見えて、現実的に大人の女性たちが着られる服ってなかなかない。


—美容師さんはどうしても洋服が汚れますよね。若い美容師さんたちは自己表現としてのファッションと作業着としてのスタイルをどう両立していらっしゃるのでしょうか。

須崎:その点については不満がいっぱい。

MAYUMI:意外ですね。GARDEN のスタイリストさんは皆さんファッショナブルだというイメージですが。

須崎:いえ、全然。もっと意識しないといけないところなのに。

MAYUMI:私も自分の店の若いスタッフにはセンスを磨く努力をしてほしいと常々思っていて、スタッフが着ている服についてダサいものはダサい、とはっきり言います。だって、ダサい人に自分のヘアを預けるなんてできないもの。お客さまに信用していただけないですよ。ファッションはスタイリストにとって技術と並んで意識すべき大事な要素ですね。

須崎:本当にそうです。


—最後になりますが、おふたりの座右の銘を教えてください。

須崎:経営者としての目線になりますが、僕が日ごろスタッフに言っていることは2つあって、ひとつは「やさしくなりたければ強くあれ」ということ。部下や家族、彼女を幸せにしたいと思うなら自分自身が強くなって力をつけないと、結局、守ってやれないよ、と。美容師としてまず自分が成長しなかったら、アシスタントにも仕事が与えられないし、自分がお店を引っ張っていく力がなければ流行るお店がつくれず、人も成長しない。もうひとつ、これは僕自身が一貫して抱いてきた信念でもありますが「過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる」ということ。僕は若いころから業界を変えたい、何か新しいことがしたいと強く思ってきたけれども、結局何も変わらなかった。その時気づいたことは、だったら自分がやればいいんだ、と。お店を変えたいと思えばお店のトップになる。業界を変えたいと思うなら業界のトップになることです。シュプレヒコールを叫ぶだけでは何も変わらないんですよ。

MAYUMI:本当にその通り!私も「強いからやさしいのではなく、やさしいことが強いのだ」と思っているし、スタッフにもそれを伝えてきました。私の場合は「一途一心」ですね。すべてにおいて今この瞬間に目の前にあることに、ひたすらに、ひたむきに没頭して、コツコツと努力し続ける。やがてその努力が素質を上回って、未来は自分の中で変えられるのだと、そう思っています。

(前編へもどる)

♥プロフィール

須崎勝己

GARDEN代表、Super Top Stylist

2006年8月、森内樹氏、加藤敏行氏とともに3人で東京・原宿にGARDENを設立。2008年には銀座に、drive for gardenをオープン。2012年4月にGARDEN TOKYO を本店としてグランドオープン。銀座7丁目 H&M のビル7F 現在、日本の中心に3店舗目をオープン。
幅広い視点からビューティをとらえ、経営セミナーに講師出演するなど、幅広く活躍し、常に新しい風を吹き込む。脚本も書き、役者として演じ、観客の目線で店を創り上げる、プロデューサー的存在。楽しみは、スタッフを招いてのホームパーティー。

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About カリス!
ヘアデザイナーMAYUMIのサロンワークを徹底解剖!

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